IFRS(国際会計基準)とは世界共通の会計基準で、100カ国以上で採用されています。

IFRS(国際会計基準)と包括利益

包括利益は、IFRS(国際会計基準)において非常に重要な概念です。

包括利益によって「利益」の概念が変わることは、IFRS(国際会計基準)がもたらす最も大きな変化といえます。

包括利益とは何か?

包括利益とは、IFRS(国際会計基準)において企業評価のカギとなるもので、

包括利益 = 期末純資産 - 期首純資産

で表されます。

包括利益とは、資産から負債を引いた「純資産」に着目し、「純資産」が期首から期末までにどれだけ増えたかを計算したものです。

包括利益の純資産とは、
(1) 企業の本業の儲けである当期純利益、
(2) 長期保有する株式など有価証券の含み損益、
(3) 海外子会社を連結する際の為替換算損益
(4) 年金の運用(年金の積み立て過不足)
などを合算した利益指標で、保有資産などストックの時価増減を反映させます。

包括利益は、企業活動のさまざまな部分に隠れているリスクを洗い出し、投資家等に企業の実像を比較しやすく開示しようとするものです。

包括利益の赤字は投資家の持分である「自己資本」の目減りを意味しますから、包括利益開示のメリットは投資家にとって非常に大きなものです。
包括利益とは?